2019/10/26 19:17
清浄歓喜団(せいじようかんぎだん) 京都市東山区祇園石段下の南にある、「亀屋清水」の菓子。お菓子の案内書には次のように記してある。
清浄歓喜団の由来
略してお団と言い、遠く奈良時代遣唐使により我国に伝えられた唐菓子の一種で、数多い京菓子の中で、千年の歴史を昔の姿そのまま、今なお保存されているものの一つであります。
唐菓子とは「からくだもの」と呼ばれ、仏教と共に我国へ伝わり、天台宗、真言宗などの、密教のお供えもので、当時はとても一般庶民は口にすることはできず、貴族のみに与えられたものであります。
七種の香を入れて包み、そのほのかな神秘な香は仏教で言う「清め」の意であり、八つの結びは八葉の蓮華をあらわし、形は金袋になぞらえ、たぎった上質の胡麻油で、揚げてあります。
伝来の当時は中身は栗、柿、あんず、あまずら等の薬草で味つけしたらしく、小豆餡を用いるようになったのは徳川中期の後であります。
以下略
「お召し上がりの際、もう一度軽く焼かれますと、一段と香味がございます」とも記してある。
大きさは、7センチほどか。わずかにゴマの香りがする。端のつまんであるところは、かなり堅い。とても歯が立たない。一方丸くなった袋はやや柔らかく、指で割って口に入れると、甘みを抑えめにした餡も柔らかめだ。
袋の部分を食べ終えて、つまみ、いや結びの部分を食べようとするが、石のように堅い。歯が割れそうで、あごの骨に衝撃が伝わる。
あきらめて、しばし黙考する。
と、ひらめいた。小鉢に湯を入れ、硬い棒を浸してラップをかぶせ、レンジでチン。一分ほどでラップが湯気で曇ったので終了、数分冷まして、恐る恐る口に入れる。食べられるくらい柔らかくなっていた。
味は、湿気を帯びた「そばぼうろ」という感じかな。いやもうちょっと中身が詰まった感じかな。甘くはないが、悪くない。
しかし、唐からの菓子を今に伝えるとは、つまらない表現だが、「ロマンですねぇ」